2025 / 02 / 02

2025年ASEANとタイの不動産マーケット考察 2

前回まではASEAN全体の経済の話をしてきました。

2025年に入ってもASEAN全体は成長をしていると言っても過言ではありません。今回は経済ではなく、ASEAN各国の不動産、特にコンドミニアムマーケットを見ていきたいと思います。図1をご覧ください。

 

図1:ASEAN各都市の経済成長率推移(2018年〜2025年<予測>)

出典:ナイトフランク社・コリアーズ社など各国データ、および現地ポータルサイトより弊社作成。新築高級コンドミニアム(30万USD以上)価格推移(平米単価での比較)

 

過去の推移が分かりやすくなるよう、2009年を基準にASEAN各都市の新規で発売される高級コンドミニアム価格をグラフにしてみました。

 

これを見てもらえれば分かりますが、クアラルンプールはここ10年以上、平均的には価格はほぼ横ばいです。そして、バンコクに関してはコロナ禍ではさすがに価格は下がりましたが、コロナが明けると一気に値段がまた上がりました。他都市でも似たような形ですが、これはコロナやウクライナ戦争などの影響による物価高だけでなく、人件費高騰、土地代の高騰などが挙げられます。

 

そして上り調子だったプノンペンがここ数年で厳しい状況になりました。新築の価格ですら平均単価は下がりだしました。それくらいプノンペンでは新築コンドミニアムの供給が増えてしまい、この調整は当面続くと想定されます。

 

このように見ていくと、経済的には全体で右肩上がりではあったものが、不動産マーケットで見ていくと「違い」がはっきりと出てきます。

 

2025年の全体感でいうと、「停滞から安定へ」というところでしょう。

特にグラフでは2024年から上下に分かれているように見えますが、現場感覚でお伝えすると「徐々に相場が決まって安定してきた」という感じはあります。確かに新築コンドミニアムの供給数が2024年は各国とも減ってきており、「実需」向け物件、つまり郊外の戸建ての需要が増えてきました。そのためコンドミニアムマーケットだけではわからない動きが各国ともに出てきています。

 

そういう点で、各国のコンドミニアムマーケットは「安定」してくるのではないか、と我々は見ています。ただし、過去のような「プレビルドで買えば必ず上がりますよ」とか「買って寝かせておけば儲かりますよ」というようなマーケットではなく、「より良い物件を購入して、賃貸をつけて運用していく。その結果、コンドミニアムの価値が上昇し購入金額より高く売却ができる」という先進国のようなインカムゲインを狙う投資に変わってくると我々は考えています。

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