2025年ASEANとタイの不動産マーケット考察 1
今回から今年のASEAN地域およびタイに関して、不動産マーケット全体の話を書いていきたいと思います。弊社はコンドミニアムの売買だけでなく、賃貸、管理も行っておりますが、オフィス、土地、ホテルの仲介も行っています。そういう観点からもASEAN全体および不動産マーケットを考察したいと思います。
図1:ASEAN各国の経済成長率推移(2018年〜2025年<予測>)
出典:IMFデータより弊社作成
2020年のコロナによって各国は大きなダメージを負いましたが、グラフを見てもわかる通り、わずか1年で経済成長率という点では回復させてきました。ここは東南アジア全体の強さだと感じます。そして2024年まででいうと平均して3%-5%の経済成長率を遂げているわけですから、日本の経済成長率がいかに低く、かつ日本の経済成長を実感しにくいのはご理解いただけるかもしれません。
事実、ASEAN各国に行くと、もはやコロナは過去のものであり、今は世界各国から観光客を集め、投資を呼び込もうと必死です。もちろん基礎的なインフラは日本に比べると決して優れているわけではありませんが、それでも各国の勢いや人々の活発さというのは日本の比ではないのかもしれません。
図2 : ASEAN各国の一人当たりGDP推移
出典:IMFデータより弊社作成
図2をご覧ください。その個々人の活発さを表す1人あたりGDP推移です。日本は33,000USDですので、もちろんASEANエリアより高いのですが、右肩下がりのグラフになっています。ASEAN諸国は押し並べて右肩上がりをしているのがわかると思います。この中でタイだけはコロナ禍になって少し下がってしまいましたが、それでも2025年現在ではジリジリと上昇をしています。
新興国と言われるフィリピン、ベトナム、カンボジアに至ってはコロナがあったのかすらわからないように右肩上がりで給与が上がっていたことがわかります。
ちなみに3,000USD〜5,000USDのラインで黄色で囲まれた範囲は「一人当たりGDPが3,000USD〜5,000USDになった時、モータリゼーションが起こる」と言われる範囲です。つまり、「自動車や二輪車が一気に広まるライン」と言っても良いでしょう。フィリピンやベトナムはすでに突入して、なんなら抜け出そうとしているレベルですが、ここにカンボジアが入りつつあります。それくらい世界は成長をしている、ということを頭に入れておきたいと思います。